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高校生平和大使が世界での学び紹介 基町高で3年甲斐さん

 第27代高校生平和大使として活動している広島市中区の基町高3年甲斐なつきさん(17)が9日、校内で講演した。核兵器廃絶に向け「国際情勢を学んで自分の意見を持ち、互いに尊重し合うことが大切」と全校生徒約千人に呼びかけた。

 甲斐さんは昨年12月、ノルウェー・オスロであった日本被団協のノーベル平和賞授賞式に高校生平和大使を代表して出席。証言を通じて核兵器を使ってはならないという「核のタブー」を築いたとしてたたえられた被爆者たちの思いに触れ、「引き継げるのは若者しかいない」と強調した。

 核兵器廃絶を目指し、毎年集めている署名をスイス・ジュネーブの国連欧州本部に提出した際のエピソードも紹介。日本政府主催の非公式会合で核保有論を訴える参加者と意見がぶつかったといい「意見が違う人との対話は難しい。その時は『理解はするが同意はしない』という姿勢も、大事なポイントになると実感した」と振り返った。

 講演後、1年阿部怜奈さん(15)は「同じ世代でも世界に平和を発信していけると知った。核と平和の問題も、実は身近なことなんだと思えた」と話した。(加納亜弥)

(2025年7月10日朝刊掲載)

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