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[被爆80年] 東京の企画展 来場1万人 被害語る写真・映像164点

 東京都写真美術館(目黒区)で開かれている「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」の来場者が10日、1万人に達した。1945年に撮影した広島原爆の記録写真と映像計164点で、1発の原爆がもたらした被害の実態を伝えている。

 1万人目は神奈川県座間市の写真家、石渡朋さん(42)。中国新聞社の木ノ元陽子東京支社長から記念品の図録を贈られた。「極限の状況下で、どんな気持ちで撮ったのだろう。記録として残るからこそ今、その悲惨さに触れられる」と話した。

 この日は同社の水川恭輔編集委員による展示解説も館内であった。8月6日に自らも被爆しながら市民の惨状を撮影した松重美人(よしと)さん(2005年に92歳で死去)の手記や証言映像を紹介。「撮影する使命の一方、無事な自分が苦しむ人たちを収めることに人間としての葛藤があった」と伝えた。75人が聞いた。

 企画展は中国、朝日、毎日の新聞3社と中国放送、共同通信社の主催で8月17日まで。(貞末恭之、宮野史康)

(2025年7月11日朝刊掲載)

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