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被爆アオギリの下で証言活動 沼田さんの思い継ぐ 中区で語る集い

 広島市中区の平和記念公園にある被爆アオギリの下で証言活動を続けた被爆者沼田鈴子さん(2011年に87歳で死去)について語る集いが12日、同区の合人社ウェンディひと・まちプラザであった。「ヒロシマを語る会」などの主催。約50人が参加し、沼田さんの平和への思いを継ぐ決意を新たにした。

 映像で沼田さんの歩みを振り返った後、親交のあった4人が思い出を語った。教員時代の教え子の篠田恵さん(93)は「いつもにこにこして優しい人。証言活動するのを迷っていた時に背中を押してくれた」と紹介。ヒロシマを語る会で活動を共にした豊永恵三郎さん(89)は「手帳がびっしり黒くなるくらい証言の予定を入れていた。平和への思いが強かった」と振り返った。

 沼田さんは22歳の時に被爆。左足を失うなどしたが、被爆に耐えて芽吹いたアオギリに励まされて希望を取り戻し、広島を訪れた修学旅行生たちに平和を訴え続けた。(仁科裕成)

(2025年7月13日朝刊掲載)

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