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遺族待つ812人 名簿掲示 原爆供養塔 広島市、情報求める

 平和記念公園(広島市中区)の原爆供養塔にある約7万人分とされる遺骨のうち、名前が分かっていながら遺族が見つかっていない812人の名簿の掲示が11日、全国で始まった。広島市は、遺族の特定につながる情報を求めている。

 市役所本庁舎1階市民ロビーではB1判の名簿を市職員が張った。五十音順で名前を記し、一部の人には手掛かりとなる住所や年齢などを書き添えている。長崎市の同様の名簿も隣に張った。広島市は区役所など市の関連施設176カ所に広島分を掲示し、ホームページにも掲載。全国の自治体や被爆者団体など約2千カ所にも送っている。

 市は1968年に名簿の公開を始め、85年から全国に発送。公開以降、849人の遺骨が引き取られた。被爆80年となる今年は、新たに1人の遺族が判明した。原爆被害対策部調査課は「情報が限られており、遺族や知人からの問い合わせが非常に重要」とし、協力を呼びかけている。同課☎082(504)2191=平日のみ。(下高充生)

(2025年7月12日朝刊掲載)

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