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被爆樹木の児童書 アップデート お薦めスポットも掲載

 被爆樹木を題材にしたノンフィクションの児童書「広島の木に会いにいく」(偕成社)が、新版として10年ぶりに刊行された。取り上げた樹木の一部の現状を追加取材するなど加筆・改稿。巻末の広島市中心部のマップには、樹木医の堀口力さん(80)=西区=が薦める見学スポットも新たに盛り込んだ。

 同書は、著者でドキュメンタリー作家の石田優子さん(47)=東京=が、堀口さんや被爆者たちへの取材を通じて原爆や戦争の記憶をたどる。2015年の初版をアップデートし、衰弱していた比治山(南区)の山陽文徳殿にあるソメイヨシノのその後を追跡するなどした。マップには堀口さんが推す樹木6本などを詳しく解説している。

 本のサイズは一回り小さくし、ソフトカバーで持ち運びやすくした。石田さんは「80年がたって街が変わっても、被爆樹木があの日と地続きだと教えてくれる。平和を求めて歩んでいく私たちの支えにもなる」と話す。223ページ、1650円。(藤村潤平)

(2025年7月15日朝刊掲載)

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