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[被爆80年] 被爆資料の目録公開 資料館 初代館長遺族が寄贈

 原爆資料館(広島市中区)は、米軍による原爆投下直後から初代館長の長岡省吾さん(1973年に71歳で死去)が市内を歩いて収集した瓦などの被爆資料や調査記録を整理した751点の目録を公開した。うち730点の画像をホームページ(HP)に載せている。

 目録の内訳は、被爆資料567点と文書資料184点。HPにある平和データベースのコーナー「特別コレクション」で閲覧できる。掲載画像は被爆資料全てと、文書資料163点。

 被爆資料には、焼けて変形したすずりや、熱線を受けて表面が溶けて泡状になった瓦などがある。文書では、長岡さんが原爆によるやけどや放射線による障害、建物の被害状況などについてまとめた冊子「廣島 原子爆弾に依る被害状況」(53年ごろ発行)などを含む。

 広島文理科大(現広島大)の地質学者だった長岡さんは45年8月6日は地質調査で今の山口県上関町にいた。広島市へ7日に入って以降、被爆した石や瓦を拾い集めた。

 資料館は2017年、長岡さんが自宅に残していた資料1万1893点を遺族から寄贈され、整理を進めていた。今年が被爆80年、開館70年に当たることから、目録を公開した。「資料館の礎となった資料を多くの人に知ってほしい」と呼びかけている。(下高充生)

(2025年7月16日朝刊掲載)

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