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旧制広島一中で慰霊祭 国泰寺高 原爆犠牲者悼む

 広島市中区の国泰寺高で20日、前身の旧制広島一中の原爆死没者慰霊祭が営まれた。遺族や同窓会の関係者たち約60人が出席。当時犠牲になった生徒353人と教職員16人、その後に亡くなった同級生たちを悼んだ。

 参列者は、校内の慰霊碑「追憶之碑」前で黙とうをささげ、白菊を手向けた。在校生代表の2年井辻青花(あおば)さん(16)は「今の広島があるのは多くの先輩が復興に向け、諦めずに取り組んだから。その思いを次の世代に確実につなぐ」と誓った。教室の全校生徒向けにオンライン中継もあった。

 広島一中の生徒たちは建物疎開の作業現場や校舎で犠牲になった。参列した嘉戸みどりさん(62)=大阪府吹田市=の父原邦彦さんは1年生の時に校内で被爆し、がんのため43歳で亡くなった。嘉戸さんは「被爆による影響は大きく、放射線治療もできなかった。核兵器や戦争の恐ろしさを知ってほしい」と話していた。(岩井美都)

(2025年7月21日朝刊掲載)

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