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原爆資料 継承や活用議論 広島のシンポに160人

 国際シンポジウム「未来への記憶の遺産―原爆資料をどう継承するか」が19日、広島市中区の広島国際会議場であった。広島市立大広島平和研究所(平和研)と中国新聞社、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)の主催。原爆の実態を伝える写真や被爆者の手記、核兵器廃絶を目指す運動の記録などをいかに残し、どう活用するかを関係者が議論した。

 基調講演はNPO法人「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」(東京)事務局の栗原淑江さんが務めた。ノーベル平和賞を昨年受賞した日本被団協が1984年に「原爆被害者の基本要求」をまとめた際の資料などを紹介。「広島、長崎で集められた資料と提携、共有を図りたい」と呼びかけた。

 原爆資料館(広島市中区)の落葉裕信学芸係長は、焦土の広島で被爆の痕跡を調べ、収集品を展示に生かした初代館長の長岡省吾氏の関連資料の意義を説いた。RECNAの山口響特定准教授・客員研究員と中国新聞社の水川恭輔編集委員も報告者として登壇した。4人はパネル討論でも議論を深めた。

 ノーベル賞委員会のフリードネス委員長のビデオメッセージも上映され、約160人が来場した。 (山本祐司)

(2025年7月20日朝刊掲載)

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