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夢へ進める 平和の大切さ 松竹 戦後80年の舞台 「幻の甲子園」描く

 松竹は戦後80年に合わせた舞台「あの夏、君と出会えて~幻の甲子園で見た景色~」を今夏、広島など全国5都市で上演する。戦時中にタイムスリップした元高校球児と当時の球児との交流を描く。東京の松竹本社であった記者会見で、主演の藤井直樹は「戦争は絶対に忘れてはいけない。戦争を経て今の平和があると伝えたい」と思いを語った。

 主人公は、夏の甲子園大会が新型コロナウイルス禍で中止となり、夢を絶たれた元エース。戦争で大会が中断されていた1942年の東京に飛び、現役の野球部員たちと大会史に残らない「幻の甲子園」を目指す物語だ。

 「自由に目標や夢に向かって進める時代がどれだけありがたいか。舞台を見て感じてほしい」と、演出の木村弥寿彦さん。戦時下の球児を演じる岡﨑彪太郎(こたろう)は、小学生の頃に訪れた広島の原爆資料館の記憶にも触れ「現実に起きたことかと衝撃を受けた」と振り返った。「若い人が戦争を知るきっかけになれば」と来場を呼びかけた。

 8月23日から東京公演が始まり、広島公演は9月23日午前11時半と午後3時半、広島市中区の広島国際会議場で。S席1万2千円、A席7千円。(堀晋也)

(2025年7月22日朝刊掲載)

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