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木村さん 露国境近くで平和の調べ 広島県府中町出身 被爆3世のバイオリニスト

「祖父の体験 思いを音に」

 広島県府中町出身のバイオリニスト木村瑠菜さん=写真=が8月15日、ロシアとの国境に近いフィンランドの都市ヨエンスーで開催される音楽祭に招待されることが決まった。被爆3世としての思いを込め、ベートーベンのバイオリンソナタ第5番「春」を披露する。

 木村さんは東京芸術大などを経て、ベルリン芸術大大学院修士課程に在学中。2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、戦争の早期終結を願って「春」を演奏する平和活動に取り組んできた。

 ヨエンスー出身の世界的ピアニストで、この音楽祭の芸術監督を務めるヤンネ・メルタネンさんが木村さんの活動を知り、ヨエンスーの市長に推薦。「ヒロシマからのゲスト奏者」として、市民の前で演奏する機会が設けられることになった。

 木村さんは「留学して、広島の現状があまり知られていないと痛感した。祖父から聞いた被爆体験も伝え、音楽に思いを乗せたい」と意気込む。(西村文)

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 7月25日午後7時から、広島市中区のWAKOゲバントホールでメルタネンさんのコンサート「ショパンと歌曲の夕べ」があり、木村さんとの協演で「春」も奏でる。一般5千円(前売り4500円)など。問い合わせは主催のMCSヤング・アーティスツにメールで。mticket@mcsya.org

(2025年7月23日朝刊掲載)

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