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[被爆80年] 「核のタブー」維持訴え ノーベル賞委員長、広島訪問

 日本被団協に昨年のノーベル平和賞を授与したノルウェー・ノーベル賞委員会のフリードネス委員長(40)が22日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。原爆資料館を見学し、原爆慰霊碑に献花。核兵器は使われてはならないという「核のタブー」を維持する大切さを訴えた。被爆地広島への訪問は初めて。

 フリードネス氏は約1時間かけて資料館を見学した。報道各社の取材に「資料館で見た写真や被爆者の証言は、もろく壊れやすい『核のタブー』を維持するために努力し続ける必要性を思い起こさせた」と強調。被爆者、遺族の癒えない苦しみや悲しみを伝える展示が特に印象に残ったと明かした。

 芳名録には「亡くなった全ての人々、全ての被害者、痛みを希望に変え、記憶を平和への力に変えた全ての人々に敬意を表する」と記帳。その後、慰霊碑へ花輪を手向けた。

 フリードネス氏は21日に広島入り。22日は、被爆者や核兵器廃絶に取り組む若者たちと懇談したほか、市役所で松井一実市長と面会して平和賞のメダルのレプリカを貸与した。(下高充生、樋口浩二)

(2025年7月23日朝刊掲載)

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