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[戦後80年 備後] 福山で催し相次ぐ 原爆や空襲 体験伝える

 戦後80年にちなんだ行事やイベントが、8月にかけて福山市内で相次いで開かれる。広島市への原爆投下や福山市街地が焦土と化した福山空襲の実態に触れ、平和の大切さをあらためて考える機会となる。

 今月27日は人権平和資料館(丸之内)で、被爆直後の広島の惨状を描いた映画「ひろしま」(1953年)を上映。少年少女の体験記集「原爆の子」(長田新編)を基にした作品で、55年のベルリン国際映画祭で長編映画賞を受賞した。

 5歳の時に被爆し、父が犠牲になった広中正樹さん(85)=手城町=の講演会が8月2日、市立大の小松安弘記念館(東川口町)である。広中さんは爆心地から約3・5キロにあった現在の広島市西区の自宅そばで被爆。当時の様子や父を亡くした悲しみを語る。広中さんの講演は同24日に人権平和資料館でもある。

 福山空襲から80年となる8月8日、市などでつくる原水爆禁止運動福山推進連盟は市民平和のつどい・市民平和大会をまなびの館ローズコム(霞町)で開催。語り部による体験談や紙芝居の上演などで理解を深める。午後5時半から、隣接する中央公園で慰霊式が開かれる。

 福山城の月見櫓(やぐら)では同日、市民たちでつくる実行委員会が「ピースコンサート」を企画。市内を拠点に活動する音楽グループ4組が出演し、犠牲者に思いをはせる。(浜村満大)

(2025年7月24日朝刊掲載)

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