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前身校先輩から被爆体験を聞く 皆実高生たち

 広島市南区の皆実高の生徒たちが25日、区内の段原公民館で、前身校の県立広島第一高等女学校の2年時に被爆した河田和子さん(93)=南区=から被爆体験を聞き取った=写真。地域住民たち約30人も訪れ、被爆80年を前に継承への思いを新たにした。

 生徒会が企画し、段原中放送部員とインタビュー形式で尋ねた。河田さんは爆心地から約2・5キロの学徒動員先の工場で被爆。大手町(現中区)の自宅は焼け、父と伯父を失った。あまりの衝撃に「何の感情も起きず、ただこれが現実なんだと。がれきの灰色、空の青さ、遺体から出た腸のオレンジ色しか記憶として色が残っていない」と振り返った。

 被爆後の半生に思いをはせて涙ぐみ、「人間を救えるのは人間しかいない。戦争のない世界を築いて」と訴えた。皆実高2年で生徒会長の洲浜菜緒さん(16)は「今度は私たちが河田さんの思いを語り継ぎたい」と話していた。

(2025年7月26日朝刊掲載)

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