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再現原爆ドーム 3D探索アプリ 安田女子大生作成「平和学習教材に」

 3Dで再現した原爆ドーム(広島市中区)を探索できるパソコン用アプリを、安田女子大(安佐南区)の学生たちが作った。精密な座標データを基に、通常入れないエリアまで描写した。「平和学習の教材としてデジタル技術の進歩を活用してほしい」としている。(神田真臣)

 同大の染岡慎一教授(66)=メディア論=たちが2015年に現地でスキャンしたデータと写真を活用した。傷んだ壁のれんがの凹凸、むき出しの鉄骨、地面に散らばった無数のがれきなどを描き出す。キーボードやコントローラーを使って建物の内外を移動でき、360度見渡せる。被爆前の県産業奨励館時代の外観も再現して並べた。

 染岡教授の監修で造形デザイン学科4年の8人が制作した。メンバーの藤井麻由希さん(21)は「現代の建物と比べて扉が小さいなど、当時の様子が垣間見え想像がかき立てられる」と期待する。

 被爆者が減っていく中で、染岡教授は「アプリで臨場感のある体験を提供できるようになった。デジタル技術は被爆の実情を世界中の人に伝えていく上で大きな役割を果たせる」と展望する。アプリはゼミのホームページからダウンロードできる。

(2025年7月26日朝刊掲載)

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