日米 有事で核使用議論 「拡大抑止の信頼性強化」 林官房長官 演習詳細明らかにせず
25年7月29日
林芳正官房長官は28日の記者会見で、日米両政府が有事の際に米軍が核兵器を使うシナリオを議論したシミュレーション(机上演習)について問われ、詳細を明かさなかった。一方、「核抑止力を含む米国の拡大抑止の信頼性を強化していく考えだ」と述べた。
林氏は、日米の外務・防衛当局者が参加する日米拡大抑止協議で、机上演習が定期的に議題に含まれ、直近の今年6月の協議でも実施したと説明。ただ、演習の内容は「事柄の性質上、お答えは差し控える」とした。
日米が米軍の核使用にまで踏み込んだ議論をしていることが判明したのは初めて。「核兵器のない世界」を訴える日本政府の姿勢と矛盾する。
林氏は核兵器のない世界の実現に向けては、核兵器保有国が加盟する核拡散防止条約(NPT)を重視する考えを強調。「現実的かつ実践的なアプローチで取り組む」と従来の見解を繰り返した。(中川雅晴)
(2025年7月29日朝刊掲載)
林氏は、日米の外務・防衛当局者が参加する日米拡大抑止協議で、机上演習が定期的に議題に含まれ、直近の今年6月の協議でも実施したと説明。ただ、演習の内容は「事柄の性質上、お答えは差し控える」とした。
日米が米軍の核使用にまで踏み込んだ議論をしていることが判明したのは初めて。「核兵器のない世界」を訴える日本政府の姿勢と矛盾する。
林氏は核兵器のない世界の実現に向けては、核兵器保有国が加盟する核拡散防止条約(NPT)を重視する考えを強調。「現実的かつ実践的なアプローチで取り組む」と従来の見解を繰り返した。(中川雅晴)
(2025年7月29日朝刊掲載)