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若手記者15人 被爆実態学ぶ ヒロシマ講座開始

 全国の若手記者を対象にした広島市のジャーナリスト研修「ヒロシマ講座」が28日、中区で始まった。北海道から沖縄県までの新聞社と通信社の20、30代の計15人が参加。11日間で被爆の実態を学ぶ。

 初日は広島国際会議場で、被爆者の瀧口秀隆さん(84)=安佐南区=の証言を聴いた。白島北町(現中区)の自宅で母や生後10カ月の妹たちと被爆。背中に大やけどを負った母が母乳を出せなくなり、次第に弱った妹は16日後に亡くなった。「どうしてやることもできなかった。戦争をして何か良いことがあったのか」と訴えた。

 8月7日までの研修中、参加者は原爆資料館を見学したり、市の平和関連施策の説明を聞いたりする。6日の平和記念式典で被爆者や遺族たちを取材するなどして、記事にまとめる。大分合同新聞(大分市)の佐藤光里記者(27)は「大分県では被爆者の話を聞く機会が少ない。体験や苦しみが伝わる記事を書きたい」と意気込んだ。

 講座は2002年に始まり、昨年までに201人が受講した。市は例年10人を受け入れてきたが、被爆80年に合わせ情報発信を強化するとして枠を拡大した。(下高充生)

(2025年7月29日朝刊掲載)

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