核使用の日米議論に抗議 原爆ドーム前で広島県被団協や原水協
25年7月30日
日米両政府が有事を想定した演習で米軍が核兵器を使うシナリオを議論していたのを受け、広島県被団協(佐久間邦彦理事長)や県原水協は29日、広島市中区の原爆ドーム前で抗議行動をした。
約80人が参加。「有事の際の核使用 核の脅しに抗議する」などと書いたプラカードを掲げた。佐久間理事長は「許せない。核兵器に頼ることのない平和外交による安全保障を」と訴えた。マイクを握った参加者は「忍び寄る軍拡がここまできた」などと批判した。
全員で、「表では『核兵器のない世界を目ざす』としながら、裏で『核使用を想定していた』など被爆地ヒロシマは決して容認することはできません」などとする緊急アピールを採択。首相官邸や防衛省に送ると決めた。(下高充生)
日米両政府が有事を想定したシミュレーション(机上演習)で、米軍が核兵器を使うシナリオを議論していたことを受け、広島県の湯崎英彦知事は29日の記者会見で、「現実に起きたらどうなるのかということに対する想像の欠如だ」と政府の姿勢を批判した。
湯崎知事は「核抑止は本当に使うということを示さないと成立しない」と指摘。「頭の中で考えていることと現実は違う。図上訓練は終わるが、実際には核兵器が使われるかもしれない」と述べ、改めて核軍縮の必要性を訴えた。 (和多正憲)
(2025年7月30日朝刊掲載)
約80人が参加。「有事の際の核使用 核の脅しに抗議する」などと書いたプラカードを掲げた。佐久間理事長は「許せない。核兵器に頼ることのない平和外交による安全保障を」と訴えた。マイクを握った参加者は「忍び寄る軍拡がここまできた」などと批判した。
全員で、「表では『核兵器のない世界を目ざす』としながら、裏で『核使用を想定していた』など被爆地ヒロシマは決して容認することはできません」などとする緊急アピールを採択。首相官邸や防衛省に送ると決めた。(下高充生)
広島知事「想像の欠如」
日米両政府が有事を想定したシミュレーション(机上演習)で、米軍が核兵器を使うシナリオを議論していたことを受け、広島県の湯崎英彦知事は29日の記者会見で、「現実に起きたらどうなるのかということに対する想像の欠如だ」と政府の姿勢を批判した。
湯崎知事は「核抑止は本当に使うということを示さないと成立しない」と指摘。「頭の中で考えていることと現実は違う。図上訓練は終わるが、実際には核兵器が使われるかもしれない」と述べ、改めて核軍縮の必要性を訴えた。 (和多正憲)
(2025年7月30日朝刊掲載)