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原爆死没者悼む 県被団協慰霊式 運動に注力誓う

 県被団協(箕牧(みまき)智之理事長)の原爆死没者追悼慰霊式が29日、広島市中区の広島平和会館であった。死没者を悼み、核兵器廃絶と被害者への国家補償を求める運動に力を注ぐと誓った。

 役員や地域組織の20人余りが集い、冒頭で黙とうした。箕牧理事長はあいさつで、国が戦争被害の「受忍」を強いてきたなどと指摘。被爆者の高齢化を踏まえ、次世代への継承の必要性にも触れながら「戦争のない、核兵器のない世界になることを願う」と述べた。その後、参列者が献花した。

 閉会のあいさつに立った植田雅軌(まさのり)副理事長(93)=呉市=は、旧制山陽中(現山陽高)2年の時に学徒動員先の工場で被爆した体験を証言。助けを求める周囲の人に何もできなかった後悔の念から今も毎晩のように夢でうなされると明かした。「こういう苦しみを二度と味わわせてはならない」と声を張った。

(2025年7月30日朝刊掲載)

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