[被爆80年] 原爆の惨状 生々しく 廿日市で丸木夫妻作品展
25年8月1日
原爆の惨状を描いた丸木位里・俊夫妻の作品展「原爆の図―被爆体験の継承」が、廿日市市下平良のはつかいち美術ギャラリーで開かれている。17日まで。同市の戦後80年非核平和事業の一環で、市、中国新聞社などの主催。入場無料。
夫妻は原爆報道が占領軍により禁じられる中、被爆地で実際に見た光景を描いた連作絵画「原爆の図」で、被害を広く知らしめた。会場には、その第1部「幽霊」と第4部「虹」をはじめ、原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)の収蔵作品を中心に計77点が並ぶ。
「幽霊」は焼け焦げ、もだえ苦しむ人々を水墨の濃淡で生々しく表現。「虹」はぼろぼろになった兵隊や捕虜の米兵、暴れる馬を描き、無差別に命を奪う原爆の恐ろしさを伝える。いずれも縦1・8メートル、横7・2メートルの大作だ。
1980年に刊行された俊の絵本「ひろしまのピカ」の原画や全国各地で開催された「原爆の図展」のポスター、詩人の峠三吉との親交ぶりを示すはがきなども展示している。
同館の岡村幸宣学芸員は「原爆の被害が絵画を通じてどのように伝わり、広がっていったか。思いをはせてほしい」と呼びかける。午前10時~午後6時。ギャラリー☎0829(20)0222。(八百村耕平)
(2025年8月1日朝刊掲載)
夫妻は原爆報道が占領軍により禁じられる中、被爆地で実際に見た光景を描いた連作絵画「原爆の図」で、被害を広く知らしめた。会場には、その第1部「幽霊」と第4部「虹」をはじめ、原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)の収蔵作品を中心に計77点が並ぶ。
「幽霊」は焼け焦げ、もだえ苦しむ人々を水墨の濃淡で生々しく表現。「虹」はぼろぼろになった兵隊や捕虜の米兵、暴れる馬を描き、無差別に命を奪う原爆の恐ろしさを伝える。いずれも縦1・8メートル、横7・2メートルの大作だ。
1980年に刊行された俊の絵本「ひろしまのピカ」の原画や全国各地で開催された「原爆の図展」のポスター、詩人の峠三吉との親交ぶりを示すはがきなども展示している。
同館の岡村幸宣学芸員は「原爆の被害が絵画を通じてどのように伝わり、広がっていったか。思いをはせてほしい」と呼びかける。午前10時~午後6時。ギャラリー☎0829(20)0222。(八百村耕平)
(2025年8月1日朝刊掲載)