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「戦争協力の歴史 繰り返さない」 念仏者九条の会、呉で集会

 浄土真宗の僧侶たち有志でつくる「念仏者九条の会」などが6月下旬、呉市内で集会を開いた。僧侶や門徒たち約40人が参加。戦時中に教団や宗教者が戦争協力を進めた歴史を見つめ、非戦の思いを新たにした。

 会の共同代表で妙泉寺(福岡市)の木村真昭住職が登壇。戦中の真宗本願寺派について、本来の教義から外れ、門徒の戦死者が靖国神社へ合祀(ごうし)されることを認めて「名誉の戦死」と褒賞もしたと説明した。

 近年、国際情勢の緊張を背景に、自衛隊員の間で靖国神社への親近感が増しているように見えると危機感を表明。「軍備増強を批判すると同時に、自衛隊員の(殉職の)心配への対応も課題だ」と述べた。門徒の隊員には「英霊として祭られる教えに生きていない」と丁寧に伝える必要があるとした。

 同じく共同代表を務める西善寺(三次市)の小武正教住職も「(国に)戦争をさせない、本願寺に戦争協力させないという両輪で、一生懸命活動していく」と発言した。

 集会では決議を採択。本願寺派に対し、戦争に巻き込まれない外交政策を政府に求めることなどを要望し、門徒の戦死者を褒賞したり、靖国神社への合祀を認めたりといった「過ち」を繰り返さないよう求めた。(城戸良彰)

(2025年8月4日朝刊掲載)

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