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被爆した樹木・建物・橋梁 同じ地図に 広島出身デザイナー柳川さんら作成

 広島市佐伯区出身のデザイナー柳川敬介さん(46)=東京都=たちが、折り畳むと手帳風になる地図「被爆都市手帳 ヒロシマ」を作成した。被爆した樹木と建物、橋梁(きょうりょう)を同じ地図上にマーク。ひとまとめに分かるようにし、若い世代が手に取りやすいようにデザイン性も高めた。

 広げるとB2サイズになり、持ち運ぶ際はA6サイズに畳める。地図には爆心地から約5キロ内に点在する樹木159本、建物86件、橋6本を記し、一部は詳しく紹介する。QRコードをスマートフォンなどで読み込むと、全ての箇所の情報が見られる。もう片面は1945年の市中心部の地図に原爆の被害状況を重ねるなどした。

 柳川さんは帰省するたびに古地図などの資料を収集。幼なじみでフランス・パリ在住の現代アーティスト小平篤乃生(あつのぶ)さん(46)にも協力を求め、スタイリッシュな地図に仕上げた。クラウドファンディングで集めた87万円を作成費の一部に充てた。

 柳川さんは「5年ほど前から構想はあった。被爆80年にできなければ一生作れないと思って世に出した」と話す。1100円。日本語版と英語版を各2千部。広島市内では広島県立美術館(中区)や一部の大手書店で購入できる。(桧山菜摘)

(2025年8月4日朝刊掲載)

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