×

ニュース

[被爆80年] 暗闇で対話 平和考えた 被爆前の街を再現 中区でイベント開幕

 暗闇での体験や対話を通して平和を考えるイベント「ピース・イン・ザ・ダーク」が2日、広島市中区の被爆建物、旧日本銀行広島支店で始まった。参加者は視覚以外の感覚を研ぎ澄ませ、人のつながりの大切さや80年前の広島に思いを巡らせた。(鈴木大介)

 参加者約50人が8人1組となり、視覚障害者に案内されて原爆で壊滅する前の広島を再現した空間に入った。セミの鳴き声が響く中、白杖(はくじょう)を使い、声をかけ合いながら移動。路面電車の走る線路を確認したり、靴を脱いで家屋に上がり当時の暮らしに触れたりした。

 西区の会社員伊達文恵さん(49)は「目の前が見えない中でそばにいる人を理解しようとし、気遣う大切さを改めて考えた」と振り返った。

 市の被爆80年事業で、一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ(東京)や中国新聞社などが主催。同法人は立場や固定観念にとらわれない対話を目指し、同様のイベントを各地で開いている。県内では初めて企画した。同法人の志村真介理事(63)は「人を信じることを考え、平和な未来を語り合う場にしたい」と話す。

 イベントは11日まで。予約制で既に満員になっている。

(2025年8月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ