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被爆証言の重要性指摘 原水禁など 広島大会始まる

 原水禁国民会議が中心となる原水爆禁止世界大会の広島大会が4日、広島市中区で始まった。金子哲夫共同実行委員長は、核を巡る国際情勢が深刻さを増す中で日本被団協が昨年ノーベル平和賞を受賞したことに触れ、被爆者の証言の重要性を指摘。核兵器廃絶へ向けた連帯を世界に呼びかけた。

 被爆80年の節目に、広島グリーンアリーナであった開会総会に約2200人が集まった。金子氏は、日本政府が核兵器保有国と非保有国の「橋渡し役」を自称しながら核兵器禁止条約を批准しないことを非難。「被爆者の思いに向き合うべきだ」と訴えた。

 続いて「高校生平和大使」広島地区代表の中嶋胡桃さん(18)、永戸あみさん(16)、下田梨央さん(16)も登壇。80年前、生まれてくる子どもの顔を見ることもできずに被爆死した曽祖父について語った中嶋さんは「当たり前の日常を奪う核兵器はあってはならない。平和な世界の実現を訴えたい」と力を込めた。広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長の講演もあった。

 またこの日、日本原水協などの世界大会も広島市内で国際会議を続け、「核戦争阻止と核兵器廃絶を求める壮大な行動を」と呼びかける宣言を採択した。(東海右佐衛門直柄)

(2025年8月5日朝刊掲載)

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