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被爆樹、バイオリンに 広島東南RC あす音色披露

 広島東南ロータリークラブ(RC、広島市中区)が、枯死した被爆樹木のムクノキをバイオリンとして生まれ変わらせた。6日に原爆ドーム前で演奏会を開き、音色を披露する。

 ムクノキは爆心地から530メートルの広島市中区小町の白神社前で被爆。2021年度に枯死が確認され、22年7月に伐採された。

 ムクノキを保管していた同RCが被爆80年を前にことし3月、バイオリンの製作や修理を手がける山本岳彦さん(53)=中区=に2本の製作を依頼。うち1本が出来上がった。

 ムクノキは、裏と横の板に使用。通常使われるメープルより硬く、若干重い仕上がりになったという。もう1本は9月に完成する見込み。同RCの被爆樹木特別委員会の要田昭治委員長(83)は「素晴らしい一品。被爆者への鎮魂と平和へ願いを込めた音色を出し続けてほしい」

 6日は午前11時半~正午、広島交響楽団などのコンサートマスターを務めたバイオリニスト上野真樹さんが音色を響かせる。(二井理江)

(2025年8月5日朝刊掲載)

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