×

ニュース

核廃絶世論どう高める 広島 原水協・禁が世界大会

 日本原水協や原水禁国民会議などは5日、広島市内でそれぞれの原水爆禁止世界大会を続けた。ロシアによるウクライナ侵攻を機に「核抑止論」が国内外で広がる中、核兵器廃絶への国際世論をどうすれば高められるのか議論を深めた。

 原水協系が中区で開いたフォーラムでオーストリアのトーマス・ハイノッチ前大使は、核保有国が増えれば核使用のリスクが増し「安全になるどころか多くの市民に危険が及ぶ」と指摘。「核兵器が広島、長崎にどんな悲劇をもたらしたのか。事実を若い世代に伝える必要がある」と訴えた。

 米国の平和団体「平和・軍縮・共通安全保障キャンペーン」のジョゼフ・ガーソン議長は「来年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の議論が重要」と指摘。市民団体が結集し「核戦争の瀬戸際から引き返せ、と世界に訴えなければ」と力を込めた。

 原水禁系が中区で開いた分科会には反核団体「ピースアクション・アメリカ」のリリー・ドラグネフさんが出席。「核兵器の危険性を啓発し、政策立案者に行動を促す時」と述べ、市民に連帯を呼びかけた。

 連合は中区で集会を開催。芳野友子会長は核兵器使用をちらつかせるロシアの動向を踏まえ「核戦争が起きる危険性は過去数十年間で最も高まっている」と指摘。KAKKIN(旧核禁会議)は東区で開いた集会でアピール文を採択し、核廃絶や原子力の平和利用推進を訴えた。(東海右佐衛門直柄、岸慶太)

(2025年8月6日朝刊掲載)

年別アーカイブ