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核実験抗議文複写594通に ドーム模型の壁埋める 原爆資料館

■記者 桑田勇樹

 原爆資料館(広島市中区)東館にある原爆ドーム模型の壁面が3日、核実験に対する歴代広島市長の抗議文の複写で埋まった。594通目。資料館が、5月26日付の北朝鮮への抗議文を、最後の「空白」に張った。

 一枚が縦21センチ、横13センチのフィルム製。北朝鮮への秋葉忠利市長の抗議文には「核軍縮に向けた誠実な交渉義務を果たすことを改めて強く要請する」との文言が記されている。

 原爆ドーム模型の壁は、高さ2.6メートル。資料館は1994年6月の東館開館以降、二つある壁の外側(幅2.1メートル)と内側(幅1.7メートル)の計4面に、過去分を含めて掲示してきた。毎回、年2、3回ある常設展示の更新に合わせて張り付けている。

 抗議文は1968年9月、当時の山田節男市長がフランスに送ったのが最初。計4人の市長が米国、ロシア、中国など8カ国に送っている。資料館は「新しい掲示場所を確保しなくていいように、今日の1枚を最後にしたい」と訴えている。

  (2009年8月4日朝刊掲載)

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