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核禁会議参加を訴え 与野党党首、相次ぎ式典参列

 与野党の党首が相次ぎ広島市に入り、6日の平和記念式典に参列した。被爆80年の節目に核兵器禁止条約への参加を日本政府に求める主張が続出し、7月の参院選で一部の政党の候補者が主張した核保有を批判する声も上がった。

 「政府は重い腰を上げ、オブザーバー参加すべきだ」。立憲民主党の野田佳彦代表は3月の同条約の締約国会議にオブザーバー参加しなかった日本政府を批判した。国民民主党の玉木雄一郎代表は「式典で石破茂首相からオブザーバー参加への発信がなかったのは非常に残念」と嘆いた。

 条約への署名・批准を求めたのは共産党の田村智子委員長。「被爆80年に日本政府を動かして条約に参加させたい」と訴えた。一方、連立与党の公明党の斉藤鉄夫代表は「条約の署名・批准に向けた環境整備を行いたい」と言葉を選んだ。

 社民党の福島瑞穂党首は、参院選で当選した参政党の候補者が「核武装が最も安上がり」と発言していたことに言及。「大変危機的に思っている」と懸念した。

 日本維新の会の前原誠司共同代表は米国との核共有について「研究対象であるが、議論するのは非現実的」との見解を示した。日本保守党の百田尚樹代表は「核兵器とどうやって共存していくかは永遠のテーマだ」と述べた。式典にはれいわ新選組と参政党の代表者も参列したが、記者会見は開かなかった。(河野揚、山田祐、東海右佐衛門直柄)

(2025年8月7日朝刊掲載)

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