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「ゼロ回答」被爆者落胆 戦後80年踏まえたメッセージに意欲 首相、時期は明言避ける

 石破茂首相は6日に広島市中区で開いた記者会見で、戦後80年を踏まえたメッセージに関し「二度と戦争を起こさない仕組みを考えたい」と発出に意欲を示した。参院選惨敗を受けた首相の出処進退が問われる中、時期は明言を避けた。

 首相は戦後50年、60年、70年の首相談話について「それぞれ深い考えの下に積み重ねてきた意味を持つ」と踏襲する考えを強調。一方、「どうすれば戦争が起こらないのかということを談話を踏まえて私として考えたいと思っている」と述べ、戦争に至った背景を検証する考えを示した。

 首相は閣議決定を伴う戦後80年談話は見送る一方、水面下で有識者の意見を確認している。発出のタイミングは「どの時期が最も適当なのかよく考える」と述べるにとどめた。日本が降伏文書に調印した9月2日に表明するとの見方もあり、早期退陣を求める自民党内から反発は強まりそうだ。

 会見で参院選の責任の取り方を問われると、首相は「多くの声に真摯(しんし)に率直に耳を傾けていかねばならないのは当然だ」と釈明。日米の関税交渉を持ち出し「日本の国益を守りながらきちんと実行に移していく」と続投への思いを語った。(中川雅晴)

(2025年8月7日朝刊掲載)

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