核の非人道性議論 広島で外交官らシンポ
25年8月7日
核兵器の非人道性について考える国際シンポジウムが6日、広島市中区の原爆資料館であった。被爆80年の節目に広島平和文化センターが企画。被爆者や核兵器禁止条約を推進した外交官、非政府組織(NGO)の代表者たちが語った。
はじめに、被爆者3人が米軍による原爆投下当時の惨状を描いた絵をスクリーンに映しながら、家族を奪われた体験などを語った。入市被爆者の河野キヨ美さん(94)=中区=は、目玉が飛び出たり、内臓が破れたりした人たちを見た市街地の光景を証言。参加者約200人に向けて「一生で一番怖かった記憶」と振り返った。
次いで国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長、オーストリア外務省のアレクサンダー・クメント軍縮局長と「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))のメリッサ・パーク事務局長たち6人が登壇。人道性という観点から核兵器の問題に焦点を当てる上で被爆地が果たす役割について、パネル討論した。
中満氏は「もっぱら国家を中心に考えられてきた安全保障議論に、変化を与えている」と指摘。パーク氏は「平和と連帯のメッセージを広げてきたヒロシマの役割はかつてないほど高まっている」と力を込めた。(小林可奈)
(2025年8月7日朝刊掲載)
はじめに、被爆者3人が米軍による原爆投下当時の惨状を描いた絵をスクリーンに映しながら、家族を奪われた体験などを語った。入市被爆者の河野キヨ美さん(94)=中区=は、目玉が飛び出たり、内臓が破れたりした人たちを見た市街地の光景を証言。参加者約200人に向けて「一生で一番怖かった記憶」と振り返った。
次いで国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長、オーストリア外務省のアレクサンダー・クメント軍縮局長と「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))のメリッサ・パーク事務局長たち6人が登壇。人道性という観点から核兵器の問題に焦点を当てる上で被爆地が果たす役割について、パネル討論した。
中満氏は「もっぱら国家を中心に考えられてきた安全保障議論に、変化を与えている」と指摘。パーク氏は「平和と連帯のメッセージを広げてきたヒロシマの役割はかつてないほど高まっている」と力を込めた。(小林可奈)
(2025年8月7日朝刊掲載)