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曽祖父母へ感謝込め司会 こども平和サミット 被爆4世森上さん

 20都道府県の小中高校生たちが平和への取り組みを発表した「全国こども平和サミット」が6日、広島国際会議場(広島市中区)であった。井口中2年で被爆4世の森上萌香さん(14)=西区=が司会に立った。1200人を前にした大役。「亡くなった曽祖父母が生きてくれたから、私がいる。その感謝を込めて頑張った」と話した。

 旧日本軍の神風特攻隊員だった曽祖父の川崎来久夫さんは、出撃の前に終戦を迎えた。曽祖母の緑さんは15歳の時、旧陸軍被服支廠(ししょう)(南区)で被爆。その経験を生前、家族にも「話したくない」と口を閉ざした。来久夫さんは2005年に、緑さんは15年に亡くなった。

 森上さんがその事実を知ったのはつい最近だ。昨年度、参加した原爆資料館(中区)の「中・高校生ピースクラブ」で、沖縄や長崎、東京の同世代と交流。学びを深めたいと今年6月、平和サミットの司会に応募した。それを機に初めて、大叔父から家族の戦争体験を聞いた。「2人が生き延びなかったら私は生まれていない。一気に自分ごととして引きつけられた」と振り返る。

 2人から直接話を聞いてみたかったと、森上さんは強く思う。「平和って当たり前のことではない。これからもできる限りの被爆証言に触れていきたい」(加納亜弥)

(2025年8月7日朝刊掲載)

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