平和式典 今年も公園全体を入場規制 被爆者・高齢者の誘導改善 ドーム前 退去命令巡り騒然
25年8月7日
6日に平和記念式典が営まれた平和記念公園(広島市中区)は、昨年に続いて市が園全体を入場規制した。昨年は被爆者たちの長時間の入場待ちが課題になったが、優先ゲートの設置で一定に改善が見られた。一方、原爆ドーム周辺では市の退去命令に応じない市民団体の一部が園外に出されるなど騒然とした。(新山創、山田祐)
規制は安全対策の強化が理由で、午前5時から9時まで実施。市は手荷物検査をする全5カ所の入場口に、昨年の教訓を踏まえて被爆者や高齢者、障害者の優先ゲートを新設し、入場開始も30分早めて6時にした。
平和大通り近くの優先ゲートには開場時、約30人が並んだ。入市被爆した中区の新井英夫さん(81)は「昨年は入場に1時間以上かかり汗だくだった。今年はすぐに入れ、高齢の被爆者が参列を諦めることがなくて良かった」と喜んだ。
一般ゲートに並んだ東広島市の地方公務員平尾元さん(64)も「今年は待ち時間が短かった。負担が少なくありがたい」と話した。ただ、市によると、予約制の自治体席の一部では、修学旅行生の到着が遅れたり手荷物の検査に時間がかかったりして着席が遅れた。
原爆ドーム前では、5日夜から市民団体「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」が集会を開き、園内にとどまった。
市は規制開始に合わせて退去を命令。団体側は抗議して従わず、市の排除要請を受けた広島中央署が市への威力業務妨害に当たると通告し、少なくとも10人を園外へ出した。しかし大半は居座り8時15分過ぎにデモ行進を始めるまで、もみ合いやにらみ合いが続いた。
(2025年8月7日朝刊掲載)
規制は安全対策の強化が理由で、午前5時から9時まで実施。市は手荷物検査をする全5カ所の入場口に、昨年の教訓を踏まえて被爆者や高齢者、障害者の優先ゲートを新設し、入場開始も30分早めて6時にした。
平和大通り近くの優先ゲートには開場時、約30人が並んだ。入市被爆した中区の新井英夫さん(81)は「昨年は入場に1時間以上かかり汗だくだった。今年はすぐに入れ、高齢の被爆者が参列を諦めることがなくて良かった」と喜んだ。
一般ゲートに並んだ東広島市の地方公務員平尾元さん(64)も「今年は待ち時間が短かった。負担が少なくありがたい」と話した。ただ、市によると、予約制の自治体席の一部では、修学旅行生の到着が遅れたり手荷物の検査に時間がかかったりして着席が遅れた。
原爆ドーム前では、5日夜から市民団体「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」が集会を開き、園内にとどまった。
市は規制開始に合わせて退去を命令。団体側は抗議して従わず、市の排除要請を受けた広島中央署が市への威力業務妨害に当たると通告し、少なくとも10人を園外へ出した。しかし大半は居座り8時15分過ぎにデモ行進を始めるまで、もみ合いやにらみ合いが続いた。
(2025年8月7日朝刊掲載)