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[被爆80年] 若者照準 平和サークル発足 リーダー清水さん「同世代の輪広げる」

 東広島市原爆被爆資料保存推進協議会(原資協)は、若い世代に被爆の継承活動をしてもらおうとユースサークルを立ち上げた。リーダーとなった高屋町出身の会社員清水遥音(はるね)さん(24)=大阪市=は「同世代の輪を広げる」と活動の裾野の拡大を誓う。9月6日には平和を考える初のイベントを開く。(石井雄一)

 清水さんは高美が丘小6年の時に、原資協が主催し、広島市中区の平和記念公園で被爆の実態を学ぶ「平和学習バス」に参加した。「あの時は、原爆は恐ろしいと思ったが、どこか人ごとだった」と振り返る。

 近畿大総合社会学部(東大阪市)の2年生の時、授業で原爆投下後の広島を特集した番組を見た。その中で、中国新聞社カメラマンだった故松重美人さんが原爆投下当日の市民を写したカットに衝撃を受けた。「広島出身なのに原爆の惨状をほとんど知らなかったと気付かされた」

 戦争や原爆についてもっと学ぼうと、地元の東広島市原爆被爆資料展示室を訪ねた。原爆投下直後に広島市内に救援に向かった「賀北部隊」の展示を見て、東広島も原爆と無関係ではないと知った。原資協の会員にも話を聞くようになった。

 大学卒業後、大阪の会社に就職したが「被爆や戦争の資料を次世代に伝えたい」との思いは揺らがなかった。その強い意志を知った原資協からユースサークルをつくる提案を受けた。

 初めて企画したイベントのタイトルは「みんなで平和のタネをみつけよう」。広島市の被爆体験伝承者の井上つぐみさん(25)の話を聞き、参加者で意見交換する。清水さんは「世代をリレーして平和のタネを大きく育てられるよう、継続的な活動にしたい」と話す。

 イベントは9月6日午後1時半から、西条西本町の市民文化センターで。小学生以上が対象。8月20日までに専用フォームで申し込む。

(2025年8月15日朝刊掲載)

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