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ヒロシマ80年の歩み 新曲に込め 被爆3世の作曲家陣内一真さん 17日広島 オーケストラ曲「FLOW」初演

 米シアトルを拠点に幅広く活躍している作曲家陣内一真さん(45)=広島市安佐南区出身=が、故郷の歴史と未来を描いた「FLOW」を作曲した。17日に広島国際会議場(中区)である「ピース・コンサートinヒロシマ」で初演される。

 数々のゲーム音楽や映画音楽を手がける陣内さんは、2022年の大ヒットアニメ映画「すずめの戸締まり」で、人気バンドRADWIMPSとともに日本アカデミー賞最優秀音楽賞に輝いた。

 「FLOW」は、約7分の映画音楽のようなオーケストラ曲。高校卒業まで市内で暮らし、被爆3世でもある陣内さんは「広島の歴史を見つめてきた河川から着想し、戦後80年間のヒロシマの発展、繁栄を音楽で表現した」と説明する。

 同コンサートは、広島ゆかりの若手音楽家で構成する「ヒロシマ・ピース・オーケストラ」が7年前から毎夏開く。コンサートマスターを務めるバイオリニストの木村紗綾さん(31)=東区=が被爆80年に合わせ、陣内さんに作曲を依頼した。木村さんは「壮大なメロディーを通し、ヒロシマの願いを世界へ届けたい」と力を込める。

 コンサートでは、西区出身の作曲家中村暢之さん(70)=東京=が手がけた「ひろしまの空」(アーサー・ビナードさん作詞)など三つの合唱曲も演奏し、NHK広島児童合唱団が歌う。被爆2世の中村さんは「声高に反核、反戦を訴えるようなメロディーではないけれど、子どもたちにも何かを感じてもらえたら」と語る。

 午後6時開演。1500円。小中高生無料(事前申し込みが必要)。事務局☎070(8413)0250。(桑島美帆)

(2025年8月13日朝刊掲載)

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