×

ニュース

[被爆80年] 投下3日後 広電が「再現」

 広島電鉄(広島市中区)は9日、100歳の被爆電車「156号」を運行した。80年前の8月9日、米軍による原爆投下の3日後にした営業運行の再開を「再現」。沿道はカメラを向ける人々であふれ、焼け野原を走る電車が人々を勇気づけた当時に思いをはせた。

 156号は、1925年の製造で広電が保有する最古の電車。江波付近(現中区)で被爆し、71年に引退した。本線では5年ぶりに姿を見せた。

 千田車庫(中区)を出発し、原爆ドーム前(中区)を通過。原爆投下後に運転を再開した己斐―西天満町(現広電西広島―観音町、いずれも西区)区間などを走った。

 中区の叡啓(えいけい)大4年山本智也さん(22)は「80年前の広島の姿を思い浮かべながらシャッターを切った」と話した。広電は「9日は広電にとって『再生』の日。市民に支えられてきたことに感謝の気持ちを伝えたい」としている。(間庭翔太郎)

(2025年8月10日朝刊掲載)

年別アーカイブ