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「核廃絶へ行動強化」 原水禁・協の長崎大会閉幕

 日本原水協などと、原水禁国民会議などの二つの原水爆禁止世界大会は9日、長崎市でそれぞれ締めくくりの集会を開き、全日程を終えた。被爆80年に世界で核抑止論が広がりつつある現状に警鐘を鳴らし、核兵器廃絶へ向けた行動強化を誓う文書をそれぞれ採択した。

 原水協系の「ナガサキデー集会」には約3900人が参加した。長崎で4歳の時に被爆した日本被団協の田中重光代表委員(84)があの日の状況を動画で証言。「被爆者は最後の力を振り絞って訴えます。核兵器は悪魔の兵器。人間と共存はできません」と語りかけた。

 「核兵器を完全に廃絶するため、新たな決意で行動に立ち上がる」と記した決議を採択。核兵器の非人道性の訴えの拡大や、核兵器禁止条約の参加を各国に促す草の根の運動の強化を盛り込んだ。

 原水禁系の閉会総会には約850人が参加。高校生平和大使たちが廃絶を訴えたほか「被爆者が一人でも多くいるうちに、核兵器廃絶の運動を強化」などとする大会アピールを採択し、閉幕した。(編集委員・東海右佐衛門直柄)

(2025年8月10日朝刊掲載)

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