×

ニュース

「平和文化の振興」討議 長崎で平和首長会議総会

 長崎市で開かれている平和首長会議の総会は9日、「平和文化の振興」をテーマにグループ討議をした。若者の参加を促すための課題や方策、戦争体験を次世代につなぐ取り組みについて話し合った。

 首長たち参加者は20人程度の5班に分かれて議論。「若者の参画」の班では、人口の約2割が外国出身者というスペイン・グラノラーズ市が、若者向けの平和活動に取り組む一方で「交流サイト(SNS)でヘイトスピーチがまん延し、その威力が上回っている」として、危機感を示した。

 国際基督教大(東京)の3年斎木理世さん(21)は、学内で日英両言語の被爆証言や原爆展に取り組んできたと説明。「資金面などで持続性に欠ける。若者の発想を後押ししてほしい」と望んだ。別に「戦争体験の継承」の班では、東京都国立市が、広島、長崎の原爆や東京大空襲の被害を受け継ぐ伝承者の養成事業を紹介した。

 総会に先立ち、参加者は長崎市の「平和祈念式典」に参列した。総会後には国内加盟都市会議総会を開催。「核共有」などの議論を危惧し、一刻も早い核兵器禁止条約への署名、批准を強く求める日本政府宛ての要請書をまとめた。後日、首長会議会長の松井一実・広島市長と副会長の鈴木史朗・長崎市長が石破茂首相に届ける。(下高充生)

(2025年8月10日朝刊掲載)

年別アーカイブ