[戦後80年 島根] 戦争語り継ぐ重要性説く 益田で考える集い 証言者の苦悩紹介
25年8月19日
戦後80年を考える集いが、益田市の市民学習センターであった。同市遠田町の市民活動家、福原孝浩さん(84)が、戦地に赴き、戦後に証言活動に取り組んだ故人3人との交流を紹介し、戦争の実態や平和について語り継いでいく重要性を問いかけた。(永井友浩)
福原さんが紹介したのは、旧陸軍兵だった時代の中国での加害体験を語り続けた浜田市の鹿田正夫さん(2012年に93歳で死去)、オーストラリアの日本兵捕虜収容所で起きた「カウラ事件」の生存者で、ハンセン病元患者の立花誠一郎さん(17年に96歳で死去)、戦艦大和の暗号士で、語り部「不戦兵士の会」を結成した浜田市の小島清文さん(02年に82歳で死去)の3人。
福原さんは、軍国主義から一変した戦後の社会で、3人は苦悩や葛藤を抱えながら生きてきたと説明。「戦争体験を聞く機会が減る中で、知ること、感じることが大切ではないか」と訴えた。
参加者15人による意見交換では、戦後50年の1995年に益田市内で、当時の市長を招いて100人規模の平和集会が開かれたことに触れ「現在は、平和に対する市民の意識が後退している」と危惧する声や、平和教育の重要性を訴える意見が上がった。
益田東中の社会科教諭大野常馬さん(43)は「教員が知らなければ子どもたちに教えられない。知る努力を続けなければいけない」とかみしめていた。集いは市民団体平和をすすめる市民の会が8日夜に開いた。
(2025年8月19日朝刊掲載)
福原さんが紹介したのは、旧陸軍兵だった時代の中国での加害体験を語り続けた浜田市の鹿田正夫さん(2012年に93歳で死去)、オーストラリアの日本兵捕虜収容所で起きた「カウラ事件」の生存者で、ハンセン病元患者の立花誠一郎さん(17年に96歳で死去)、戦艦大和の暗号士で、語り部「不戦兵士の会」を結成した浜田市の小島清文さん(02年に82歳で死去)の3人。
福原さんは、軍国主義から一変した戦後の社会で、3人は苦悩や葛藤を抱えながら生きてきたと説明。「戦争体験を聞く機会が減る中で、知ること、感じることが大切ではないか」と訴えた。
参加者15人による意見交換では、戦後50年の1995年に益田市内で、当時の市長を招いて100人規模の平和集会が開かれたことに触れ「現在は、平和に対する市民の意識が後退している」と危惧する声や、平和教育の重要性を訴える意見が上がった。
益田東中の社会科教諭大野常馬さん(43)は「教員が知らなければ子どもたちに教えられない。知る努力を続けなければいけない」とかみしめていた。集いは市民団体平和をすすめる市民の会が8日夜に開いた。
(2025年8月19日朝刊掲載)