×

ニュース

「父と暮せば」親子で朗読 大竹 被爆3世の三宅さん

 米国を拠点に「表現師」として活動する被爆3世の三宅由利子さんが、古里の大竹市の玖波公民館で父信之さん(71)と、井上ひさし作の「父と暮せば」の朗読劇を上演した。約100人が被爆後の広島を舞台にした親子の物語を聞いた。

 2人は、ナレーションを務めた広島市安佐北区出身の俳優森永明日夏さんと登壇。原爆で命を落とした父が幽霊となり、生き残った負い目を抱く娘の前に現れる広島弁の物語を読んだ。原爆投下時を回想する場面では、家の下敷きになった父と、逃げるのを拒む娘を熱演。「こよな別れが末代まで二度とあっちゃいけん」。父の言葉にすすり泣く人もいた。

 大竹市西栄の大学3年寺岡千瑛(ちあき)さん(20)は「緊迫した場面から互いを思う気持ちが伝わった」と話した。

 7月のニューヨーク会場に続き、原爆の日の6日に上演した。三宅さんは「今後もライフワークとして国内外で披露したい」と意欲を見せた。(和泉恵太)

(2025年8月20日朝刊掲載)

年別アーカイブ