[戦後80年 県北] 庄原遺族会 「継承」訴え 戦没者追悼・平和祈念式典 解散地域も 孫世代に期待
25年8月21日
庄原市は20日、同市西本町の市民会館で戦没者追悼式・平和祈念式典を営んだ。戦没者遺族の高齢化が進み、遺族会を解散せざるを得ない地域もあるなか、市戦没者遺族会の井沢聖昭会長(87)は活動継続に向け、「体験談を通じて自覚を促し、後継者育成に努める」と強調した。(菊池諒)
遺族や市民たち404人が参列し、市内出身の戦没者2923人を悼んだ。児童代表で永末小6年の松井菜南さん(12)と三上陽愛(ひな)さん(11)が「二度と戦争の悲劇を繰り返さない」と誓った。子どもたちの合唱や庄原格致高吹奏楽部の演奏、市民グループによる詩や遺書の朗読もあった。
旧7市町を束ねる市戦没者遺族会によると、6月末時点の会員数は計約250人。5年前の2020年と比べ約70人減った。同市山内町の山内西遺族会は今春、会員が高齢化し活動を続けるのが難しいとして解散した。
「市内でも戦争を知らない世代が増え、『歴史』になりつつある。語り継ぎ、次世代に自覚を促したい」と井沢会長。市戦没者遺族会は、全国戦没者追悼式に孫世代の会員を送るなど、後継者育成に力を注ぐ。
孫世代の山本喜信さん(66)は同市高町の高遺族会で5年前から会長を務める。同町では遺族の参列が減り、行事開催が厳しくなりつつある。「孫世代は国家補償の対象外で、遺族会への関心が薄い場合もある。平和をつなぐ上で遺族会は大切。継承に向けより良い形を考えたい」と話す。
(2025年8月21日朝刊掲載)
遺族や市民たち404人が参列し、市内出身の戦没者2923人を悼んだ。児童代表で永末小6年の松井菜南さん(12)と三上陽愛(ひな)さん(11)が「二度と戦争の悲劇を繰り返さない」と誓った。子どもたちの合唱や庄原格致高吹奏楽部の演奏、市民グループによる詩や遺書の朗読もあった。
旧7市町を束ねる市戦没者遺族会によると、6月末時点の会員数は計約250人。5年前の2020年と比べ約70人減った。同市山内町の山内西遺族会は今春、会員が高齢化し活動を続けるのが難しいとして解散した。
「市内でも戦争を知らない世代が増え、『歴史』になりつつある。語り継ぎ、次世代に自覚を促したい」と井沢会長。市戦没者遺族会は、全国戦没者追悼式に孫世代の会員を送るなど、後継者育成に力を注ぐ。
孫世代の山本喜信さん(66)は同市高町の高遺族会で5年前から会長を務める。同町では遺族の参列が減り、行事開催が厳しくなりつつある。「孫世代は国家補償の対象外で、遺族会への関心が薄い場合もある。平和をつなぐ上で遺族会は大切。継承に向けより良い形を考えたい」と話す。
(2025年8月21日朝刊掲載)