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[戦後80年] 図書館利用者と平和願う塗り絵 熊野高生ワークショップ

 熊野町の熊野高の生徒有志が、ピカソの反戦絵画「ゲルニカ」と同じサイズのキャンバスに描いた絵柄をはがき大の塗り絵にし、町図書館の利用者に仕上げてもらうワークショップを開いた。戦後80年を機に平和を実現する意思を示そうと企画した。

 大きな白いハトが平和を運ぶイメージの絵柄で、塗り絵用に印刷した紙を図書館を訪れた約20人に配った。昨年6月の文化祭に合わせて熊野第四小の児童と一緒に巨大絵に挑んだ経緯を説明。反戦の願いを込めて子どもが巨大な絵を描く国際的アートプロジェクト「キッズゲルニカ」の取り組みも紹介した。

 来館者は色鉛筆やクレヨンなどで思い思いの色合いに仕上げ、込めた願いを車座で話し合った。同町萩原の主婦藤川千浪さん(67)は「私たちの小さな一歩が未来に通じると考えさせられた」と実感していた。

 熊野高の生徒たちが縦3・5メートル、横7・8メートルのテント生地にアクリル塗料を使って描いた巨大絵は先月から町図書館内に展示。ワークショップは3日にあり、提案した3年日下鈴来(りんら)さん(18)は「子どもからお年寄りまで一緒になって戦争と平和について考え、話し合う機会になった」と手応えを語った。(石川昌義)

(2025年8月22日朝刊掲載)

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