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[被爆80年] 広島修学旅行 どう充実 関東の教員対象 初の研修会

 広島市を訪れる修学旅行生の平和学習の充実につなげようと、関東の中学校教員を対象にした研修会が21日、広島国際会議場(中区)で始まった。広島平和文化センターが初めて企画。22日までの2日間、地元の小中学校教員と交流しながら、被爆地の発信力と訴求力を子どもの「学び」にどう生かすかを探ってもらう。(加納亜弥)

 初日は東京都、千葉県、茨城県の計16校と広島市内8校の教員たち約30人が参加。グループ討議では、関東の教員から「注目ポイントのリストがあれば事前学習に役立つ」「復興の歩みや被爆者の人生に迫りたい」との声が上がった。広島市立の全小中高校で使われる教材「ひろしま平和ノート」の活用案も出た。

 先進校の事例発表もあった。中央区立佃中は、己斐中(西区)と続けるオンライン平和学習などの交流実績を報告。平和学習に特化した2泊3日の旅行を計画している港区立御成門小・中は「広島は歴史を学ぶ場がコンパクトに詰まっている。その良さを校内や保護者にプレゼンできる教員の力も大切」と強調した。

 被爆者で元小学校長の梶矢文昭さん(86)=安佐南区=の体験も聴いた。

 22日は原爆資料館や本川小平和資料館を見学する。初の広島への修学旅行を今秋に控える板橋区立桜川中の田平真季教諭(47)は「被爆遺構など本物に接することで、生徒の心はきっと動く。平和をつくる人材育成を目指したい」と力を込めた。

(2025年8月22日朝刊掲載)

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