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[被爆80年] 基町の今 海外に発信 地元の児童 平和や日常 写真送る

 広島市中区の基町小児童が、身近な「平和」や「日常」を写真に収め、海外の小学校に送る活動を始めた。一帯は戦後、原爆に家を奪われた人々の住宅が並び、広島の復興を支えた地域。被爆80年を機に捉えた「基町の今」を世界に発信し、国際交流につなげる狙いがある。(加納亜弥)

 全児童102人が思い思いに撮影し、計約200カットをそろえた。被爆1カ月後に学校そばで咲いたことから校内で育てているカンナ、校庭の被爆エノキ3世、原爆慰霊碑や原爆ドームを結ぶ「平和の軸線」の延長線上にある石畳…。今も地域に溶け込む平和のシンボルを切り取っている。

 メッセージを添え、市の姉妹都市の韓国・大邱やドイツ・ハノーバーなど5都市の各1校に郵送する。基町小は外国籍の児童が半数を超えることから、在籍児童の出身地のネパールやベトナムの学校も宛先に選んだ。今後も送り先を増やし、返信があれば地元で展示することも計画している。

 6年佐々木高志郎さん(12)は、学校近くのエディオンピースウイング広島を撮影し、再開発後の基町アパートも背景に入れた。「戦後の歴史も忘れてはいけないと思ったから」と語る。

 一連の活動には、市立大(安佐南区)と中区でつくる「基町プロジェクト」が協力した。スタッフで市立大非常勤特任教員の平石ももさん(44)は「自分の日常を発信して写真を交換すれば、その先にある世界を想像できる。交流が続いて子どもたちの宝物になればうれしい」と期待している。

(2025年8月24日朝刊掲載)

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