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アジアの若手 ヒロシマ研修 ユニタール広島 28日まで 被爆体験聞き「母国で伝える」

 バングラデシュやネパールなどアジア4カ国と県内在住の10、20代計13人が25日、デジタル技術を活用して物語を伝える「ストーリーテリング」などをテーマに広島市で研修を始めた。国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所が企画。初日は原爆資料館(中区)で、被爆者の小倉桂子さん(88)=中区=から体験を聞いた。

 小倉さんは、8歳の時に爆心地から約2・4キロで被爆した状況を英語で証言。皮膚がぶら下がった人たちが逃れてきた様子や、放射線による健康不安を抱え続けた半生を資料、絵などを駆使して伝えた。

 フィリピンの大学院生アンドレ・マグパンタイさん(24)は「国家間の戦争としてではなく、一人一人が生きた物語を母国で伝えたい」と話した。

 研修は28日まで。平和記念公園(中区)で仮想現実(VR)のゴーグルを着けて被爆前後の広島を疑似体験するほか、デジタル技術を利用した教育を学ぶ。(鈴木大介)

(2025年8月26日朝刊掲載)

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