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[戦後80年 県北] 平和願い 向けたレンズ 三次の写真家たちが創作活動 佐々木さん新作アート

「節目の年 見る人が何か動き出すきっかけになれば」

 被爆、戦後80年に合わせて三次市の写真家たちが創作に取り組んだ。平和や核廃絶への思いをそれぞれが作品に託している。

 十日市中の写真作家佐々木輝義さん(62)は被爆80年のことし、第13回新県美展(第77回県美術展)デザイン部門の招待作家として新作「願い」を出品した。「平和だからこそアートに取り組める」と強調する。

 「願い」は縦103センチ、横72.8センチ。矢尻のようなフェンス先端の装飾を手前に配し、後方には原爆ドーム(広島市中区)が迫る写真を用い、「No more Hiroshimas」「80years after the war」などと英語で記した。ドームのおぼろげな姿は記憶の風化を、赤にはあの日の惨禍を重ねたという。

 2年前の新県美展デザイン部門優秀賞に選ばれた、ロシアのウクライナ侵攻停止を訴えた作品をベースにした。「節目の年だからこそ、見る人が平和のために何か動き出すきっかけになれば」と佐々木さん。

 6~7月に県立美術館(広島市中区)であった同展中央展で展示は終えたが、機会があれば公開するという。作品の右下には米トランプ大統領の広島訪問を求めるメッセージを記す。「願うのは、もちろん核兵器廃絶と恒久平和です」(広田恭祥)

(2025年8月30日朝刊掲載)

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