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[被爆80年] 平和祈念館 入館600万人 広島 開館23年で

 被爆者の手記や遺影を保存・公開している国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)の入館者数が1日、累計600万人に達した。2002年8月の開館から23年1カ月で迎えた節目。近年は入館者が急増し、直近の100万人を集客した期間は2年2カ月と過去最短だった。

 600万人目は、ポーランドから訪れたプルゼメク・パンコフスキさん(50)と息子のエレンさん(18)。館内で記念のセレモニーがあり、漆原正浩館長から祈念館の被爆体験記集などを受け取った。エレンさんは「かつて広島で何が起きたかを学びたい」と語った。

 祈念館は原爆犠牲者への弔意を示す場として、国が平和記念公園内に整備した。体験記15万1016編と、死没者2万8947人の遺影や名前を納めている。昨年度の入館者数は46万6270人と、過去最多を更新。外国人観光客の増加などに伴い、同じく園内にある原爆資料館とともに入館者が増えており、祈念館は「核を巡る国際情勢の悪化で関心が高まっている」とみている。(下高充生)

(2025年9月2日朝刊掲載)

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