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[被爆80年] 被爆者が描いた川の惨状 原爆資料館 展示入れ替え

 原爆資料館(広島市中区)は2日、被爆者が記憶を基に描いた「原爆の絵」の展示を入れ替えた。今回は、川を題材にした原画6点を並べた。来年2月15日まで紹介する。

 本館の「絵筆に込めて」のコーナーに1945年8月6~9日の惨状を描いた絵を掲げた。京橋川の中で助けを求める人々や、川から引き揚げられた遺体が火葬される様子を伝えている。「同じ遺体が幾日も浮いていた」「避難してきた人のほとんどが半死半生の状態」など、作者が語った言葉も添えてある。

 名古屋市から訪れた大学生佐々木基起さん(21)は「悲惨な事実を伝えようとする被爆者の思いを受け取った」と見入っていた。

 資料館は約5千点の原爆の絵を所蔵する。2019年に本館をリニューアルしたのを機に、常設展示を始めた。原画の劣化を防ぐため、半年ごとに作品を入れ替えている。(下高充生)

(2025年9月3日朝刊掲載)

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