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鎮魂と反戦の歌 広島に響く 広響が被爆80年特別公演

 広島交響楽団の被爆80年特別公演が6日、広島市中区の広島国際会議場であった。英国の作曲家ブリテンの「戦争レクイエム」を披露。英ボーンマス・シンフォニー・コーラスが出演し、鎮魂と反戦へのメッセージを高らかに歌い上げた。

 全6曲、1時間半に及ぶ大作。同コーラスの音楽監督ギャビン・カーが指揮を務め、日英3人の独唱者、NHK広島児童合唱団が加わる壮大な編成で熱演した。金管や打楽器の鋭利な響き、テノールとバリトンの切々とした歌唱が戦場の光景を描き出し、救いを感じさせるソプラノソロが情感豊かに響いた。

 最後は、死にゆく敵同士の2人の男声独唱が「いまは眠ることとしよう」と掛け合う中、曲はクライマックスへ。静謐(せいひつ)な合唱が「アーメン」と祈りをささげて終幕すると、約千人の聴衆は感動に包まれた。(木原由維)

(2025年9月7日朝刊掲載)

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