「原爆の図」に着想 鎮魂の舞 舞踏家 和泉舞さん 旧日銀支店で20日 被爆80年 初の広島公演
25年9月9日
東京を拠点に、丸木位里・俊夫妻の連作「原爆の図」を舞踏にして表現している和泉舞さんが20日、広島市中区袋町の旧日本銀行広島支店で公演する。被爆80年に合わせた初の広島公演に被爆建物で挑む。
「鎮魂の舞 献水」と題した舞台。「幽霊」「火」「水」などのタイトルがある「原爆の図」の各部に着想しつつ、自らが触れた被爆者の証言や、原発事故の被災地福島で体感したことも反映させる。被爆者に水を届けるイメージの舞にはとりわけ心を砕く。広島市内の原爆死没者の慰霊碑に供養の献水を続けた被爆者の宇根利枝さん(2012年に93歳で死去)にも触発され、深化させてきたという。
和泉さんは東京都出身で、演劇活動を経て舞踏家に。大野一雄や大野慶人に師事した。03年、京都で披露した「水をください」と題した作品から原爆をテーマに据えるようになり、「原爆の図」を舞踏化する試みを重ねてきた。
これまで首都圏での上演が中心だったが「いつかは広島で、と念願してきた」。今年は8月6、7日に広島を訪ね、いくつかの慰霊式を巡って実感を深めた。「戦火のやまない世界への怒りを込めつつ、鎮魂と平和の祈りを届けたい」と意気込む。設楽(したら)瞬山さんが尺八で伴奏する。
午前11時、午後2時の2回公演。無料。事務局☎090(5690)6977。(道面雅量)
(2025年9月9日朝刊掲載)
「鎮魂の舞 献水」と題した舞台。「幽霊」「火」「水」などのタイトルがある「原爆の図」の各部に着想しつつ、自らが触れた被爆者の証言や、原発事故の被災地福島で体感したことも反映させる。被爆者に水を届けるイメージの舞にはとりわけ心を砕く。広島市内の原爆死没者の慰霊碑に供養の献水を続けた被爆者の宇根利枝さん(2012年に93歳で死去)にも触発され、深化させてきたという。
和泉さんは東京都出身で、演劇活動を経て舞踏家に。大野一雄や大野慶人に師事した。03年、京都で披露した「水をください」と題した作品から原爆をテーマに据えるようになり、「原爆の図」を舞踏化する試みを重ねてきた。
これまで首都圏での上演が中心だったが「いつかは広島で、と念願してきた」。今年は8月6、7日に広島を訪ね、いくつかの慰霊式を巡って実感を深めた。「戦火のやまない世界への怒りを込めつつ、鎮魂と平和の祈りを届けたい」と意気込む。設楽(したら)瞬山さんが尺八で伴奏する。
午前11時、午後2時の2回公演。無料。事務局☎090(5690)6977。(道面雅量)
(2025年9月9日朝刊掲載)