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[被爆80年] 平和へ対話と行動を 日米首脳の子孫ら 広島で意見交換

 第2次大戦後の極東国際軍事裁判(東京裁判)で死刑判決を受けた東条英機元首相のひ孫英利さん(52)をはじめ、かつて対立した国々の子孫たち6人が世界恒久平和をテーマに意見を交わすイベントが14日、広島市中区の広島国際会議場であった。緊迫の度を増す国際情勢を念頭に、対話や行動の重要性を訴えた。

 英利さんは曽祖父の親族として「公で東条家について語ることはなく、自分の名前と向き合い切れてなかった」と回顧。戦後80年を迎え、世界各地で戦火がやまない現状を前に「歴史を検証し、今、何ができるかを共有することが平和への一歩になる」と強調した。

 広島、長崎への原爆投下を命じたトルーマン元米大統領の孫クリフトン・トルーマン・ダニエルさん(68)は、被爆者との対談を重ねてきた経験を振り返り「被爆者の声を聞き、アクションを起こすことが大事だ」と述べた。ナチス・ドイツの将校やホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の生存者の孫たちは、加害者と被害者の親族が抱える苦悩を打ち明けた。

 広島青年会議所(JC)がユニタール広島事務所などと共催し約400人が参加。一行は19日の長崎市入りを目指し自転車で出発した。(野平慧一)

(2025年9月15日朝刊掲載)

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