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[被爆80年] 戦時中 日米首脳の子孫 平和公園を訪問 原爆犠牲者悼む

 太平洋戦争中に日米の首脳だった東条英機元首相とトルーマン元大統領の子孫2人が13日、広島市中区の平和記念公園を初めて一緒に訪れた。戦時中の関係を乗り越えて平和をアピールする行動の一環で、原爆の犠牲者をともに悼んだ。

 元首相のひ孫の東条英利さん(52)=東京=と元大統領の孫のクリフトン・トルーマン・ダニエルさん(68)。京都市のNPO法人の平和活動プロジェクトに呼応し、「インド独立の父」マハトマ・ガンジー氏のひ孫、ナチス・ドイツの将校とホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の生存者の孫たち計6人で広島を訪問した。

 原爆資料館を石田芳文館長の案内で見学し、広島の街並みが破壊される様子をCGで伝える「ホワイトパノラマ」や被爆直後の市民を撮った写真に真剣なまなざしを向けた。続いて原爆慰霊碑に献花し、手を合わせた。

 英利さんは「広島は平和を訴えるシンボル。人類は和解できるとここで伝えたい」。ダニエルさんは「過去の敵同士のリーダーの子孫が集まり率直に語り合うことで未来へ進みたい」と話した。一行は広島国際会議場で松井一実市長とも面会した。(山本祐司)

(2025年9月14日朝刊掲載)

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